「うさぎスマッシュ」!

Posted on 2013年12月16日

東京都現代美術館で開催中の「うさぎスマッシュ」。
とても刺激的だった。素晴らしい、というよりは共感したという感じ。

「世界に触れる方法(デザイン)」という副題の本展示。ぼくらの周りに拡がる曖昧模糊とした世界に対し、どのような接し方の可能性があるのか、という命題を抱えた作品が集められていた。それらはとても奇妙な、けれど極めて真面目でリアルな存在感を放ち、普段ぼくらがなかなか目にすることがない、あるいは見ないふりをしている世界の裏側、”ワンダーランド”へと鑑賞者を誘っているように思えた。

中でもおもしろかったのがMITメディア・ラボの作品、「in Touch/幽霊存在」。2つの木製のローラーから構成された作品で、それぞれのローラーが離れた位置に置いてあり、一方のローラーを回すと、もう一方のローラーも同期して動くようになっている。2人の人間がローラーに同時に触れることで、距離を超えて人と人とが互いの動きを感じることができる、それが“in Touch”というメディアであり、そこから生じる相手の存在感が“幽霊存在”ということらしい。

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もし仮に、2つのローラーを、壁を挟んで置いたなら、相手の姿は見えなくなり、「声」と「ローラーの動き」のみが得られる情報になる。それでもたぶん、たったそれだけの情報でぼくらは文字通り幽霊のような、いるのかいないのか分からない存在感をそこに感じ取ることができるんだろう。

触覚と聴覚、そしてそこから得られた情報を元にぼくらの「想像力」が刺激され、目にはめ見えない存在(幽霊存在)を認識する。それは、あたかもヒトの「想像力」という極めて主観的なモノの見方が外界、他者を構築していることを示しており、「私」と「他者」という2項関係の絶対性を大きく揺るがす。

これはまさに、ぼくがいつか検証したい研究対象でもあり、作品のコンセプトに強く惹付けられた。フィールドが違えど、メディアやアートというカタチでヒトの想像力が生み出す存在感の可能性が発表されている。そのこと自体、とても刺激的だと思う。

 

「うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)」
会期: 2013年10月3日(木)〜2014年1月19日(日)
会場: 東京都現代美術館
開館時間: 10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日: 月曜日(ただし10/14、11/4、12/23、2014/1/13は開館)、10/15、11/5、12/24、
年末年始(12/28-2014/1/1)、2014/1/14
入場料: 一般1,100円/大学生・65歳以上800円/ 中高生600円/ 小学生以下無料
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/148/